航空研究部 ANAケータリングサービス社見学
2025.01.09
12月23日、中3から高2の航空研究部の部員9名で、川崎市の南にあるANAケータリングサービス川崎工場を見学しました。これまで航空機そのものが見学できる施設に足を運んできましたが、今回初めて、機体そのものではなく、機内でお世話になるサービス、機内食について知ることができる施設を、特別に見学させていただくことができました。
ANAケータリングサービスさん(通称で呼ぶことが多いそうです。ということで、ANAC(アナック)さん、と皆さんも覚えましょう。)は、「安心、安全、美味しい」機内食、「その先の笑顔のために」をモットーに、メニュー開発から製造、搭載といった業務に加え、機内で目にするアメニティやANAラウンジのミールサービスを提供するなど、実は機内食だけではない、さまざまな業務を行う会社です。
まずは50部門にも分かれるという業務の種類や、機内食の知られざる工夫について、説明を聞きました。ここ川崎工場では1日に1万8000食もの機内食が、全て人の手で作られているとか。また、アレルギーや宗教上の理由への配慮などのニーズに応える「特別機内食」の種類は全部で25種類、さらに、頻繁に利用するお客様も楽しめるよう、四季に応じたメニューになる、など、想像以上の機内食の豊富さと、それらはオートメーションではなく全て人の手によって作られている、という事実に「へえ〜」、「すげ〜」となります。
そして、やっぱり気になるのは機内食の「味」ですよね。美味しい機内食を作るための工夫、というのも知らないことだらけで驚きです。上空では気圧や機内の湿度や明るさ、音の関係で、地上で食べる時とは味覚や感じ方がだいぶ変わってしまうそうです。彩りを鮮やかにしたり、コクやうま味、香りをうまく利用しながら、上空でも美味しく食べられるよう、地上の料理とは全く違う工夫がたくさんされていることが分かりました。
さあ、本当に機内食が食べたくなってきたところで、いよいよ工場見学です。衛生管理が本当に徹底されています。服装に関するさまざまな注意を受け、身支度を整え、変身。さらに、全身をコロコロでローラーしたり、エアを浴びたり、細かく手順が決まった手洗い消毒もろもろの手続きを終えた後、いよいよ工場見学をしました。(衛生管理と安全管理が徹底されており、ここからの様子は写真ではご紹介できませんので、文字だけで。)
さっそく目に飛び込んできたのは、食材を調理している方々。そもそも肉と野菜は別の厨房で調理されているのも、衛生上の理由です。さらに、和食部門と洋食部門という2つの厨房を外から見学しました。洋食部門では、ちょっと大きめの鍋が。中身は見えませんでしたが、やっぱり肉料理のソースでしょうか?「普通の厨房には絶対あるのに、ここにはないものは何か分かりますか?」という質問に、目を凝らして厨房を覗きます。何だろう…?? 答えは、皿。お皿に料理を盛り付けるのは別の部門の方々が作業をします。ということで、次は「ディッシュアップ」、つまり盛り付けの作業を見学します。さらに「ミールセット」、つまりお客様が目にするトレイの状態にセットする作業もあり、たくさんのトレイや食材が並ぶところで多くの方々が作業をしている様子を間近に見ることができました。
「さあ、ここからは食品工場というイメージをガラッと変えていこうと思います。」さて、食品エリアを出ると、たくさんのカートが。同じ便に積み込まれるカートの種類は本当に何種類もあり、中を見せてもらいました。飴やポストカード、おもちゃ、さらに大量の飲料から、色々な種類のお皿、コップまで、機内食以外に飛行機の旅を楽しくするアイテムがたくさん準備されています。実は機内食以外の物品も扱っている工場、ということでした。
さて、まだまだここには書ききれなかった「へえ!」という意外な情報はたくさんあるのですが、長くなってしまいましたので、ご報告はここまでにしたいと思います。安全に飛行機を飛ばすためにチームワークを大切に、という精神のもと、衛生と安全を徹底し、お客様の感動体験を実現させるべく工夫と努力を重ねる、知られざる縁の下の力持ちのお仕事を垣間見ることができ、貴重な体験ができました。生徒との打ち合わせの段階から当日のご説明まで、とても親切に対応していただき、本当にありがとうございました!